「レジリエンス」を一言で、できるかぎり平易に表すとすれば、「ストレスや逆境にあったときに、ポキッと折れてしまわない力」といえるでしょう。ただし、「レジリエンス」という言葉がもつ本質に迫れば、一言で、そして日本語で説明するのが難しいのが現状です。
たとえば日本語でいう「隙間」には多くの意味があり、それを英語で一言で表せないのと同じです。また、人・自然・社会のどのレジリエンスかによって、またそのときの状況によって、その訳語も変化するはずです。たとえば、回復する力、変化する力、しなやかさ、柔軟な器量……などが相当します。
一方で、どのようにレジリエンスを可能にするかという視点から、レジリエンスの本質を端的に表現するなら、「状況変化を重視し、短・中・長期的な視点から社会に散在する点を線で結び、木を見て森も見ながら、予測しないことが起きても、逆境にあっても折れない環境を生み出すこと」(清水美香、2015)といえるでしょう。