イベントについて
近年の東日本大震災や熊本地震などを通して、私達は災害には予測を超えた事態が起こり得ることを目のあたりにしてきました。自然環境においても社会経済においても刻々と変化する時代において、災害に関わる情報、知識、予測には「不確かさ」が常に伴い、その中で自らの命や暮らしをいかにまもってゆくかが、これからの私たちの大きな課題となっています。
地震の予測は「あいまい」「情報が怪しい」ではなく、最善の最新の科学でも予測できない不確実性があります。この現実を踏まえて、これまで国の政策も2017年11月に大きく動き、南海トラフでの巨大地震に関して、いわゆる予知ではなく、「地震が起きる可能性が平常時より高いようだ」といった情報が気象庁から発信されることになりました。一方、こうした情報をどのように防災に活かすかに関する議論は未だ緒についたばかりであり、今まさに、研究者、行政、住民をまじえて真剣に対話すること求められています。
地震リスクとそれに関わる不確かさにどのように向き合うのか、それを踏まえた対策を「コミュニティや地域」にどのように組み入れていくのかについて、科学と社会の両方の側面から多様な関係者の対話を積み重ね、様々なシナリオに基づいてそのあり方を検討していくことが必要です。
本ワークショップでは、最新の科学や政策の動きを紹介し、南海トラフ沿いの大規模地震の可能性をシナリオ素材として扱います。日頃接点の少ない、市民と、本課題に向き合い続けている科学者がどのような共通認識を持つ必要があり、どのような取り組みが求められるかについて対話を行います。それを通して、より良いリスクコミュニケーションおよび情報共有・学習の在り方を検討します。
イベント詳細
日時
2018年3月10日(土)12:40〜
会場とアクセス
Impact Hub Kyoto
京都市上京区油小路通中立売西入ル甲斐守町97番地
西陣産業創造會舘(旧西陣電話局)2階・3階
公衆電話の横からお入り下さい。京都市バス堀川中立売下車、徒歩3分。
https://kyoto.impacthub.net/access/
形式・方法
科学者が描く南海トラフ沿いの大規模地震に関わる2つのシナリオ(※ワークショップ全体を通して、内閣府の「南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会」で検討されたシナリオに基づいて描きます)を踏まえ、参加者はグループに分かれ、科学者とともに対話およびワークに参加いただきます。全体としてそれぞれのシナリオで引き出される課題を引き出し、より良いコミュニケーション・情報共有や学習の在り方、さらにコミュニティや地域での防災のあり方について検討します。
対象/人数
市民防災組織を率いていらっしゃる方、防災のあり方に関心のある市民、メディア(最大限テーブルラーニングに相応しい環境づくりのためWS最中の取材は無し、個人参加)、学生の方々/先着20名程度
登録方法
京都大学研究ワークショップ事務局 kyotouniversity123@gmail.com宛てに、1:お名前、2:ご所属先およびお役職名を明記の上、メールをお送りください。
参加費
無料(自然災害研究協議会近畿地区部会の助成を受けています)
共催
リスクと不確実性に関わる研究グループ(京都大学 清水美香代表)/京都大学防災研究所 橋本学研究室/自然災害研究協議会